しっかりと履きましょう。
しっかりとは、鼻緒の軸に足の親指と人差し指の間をキュッと挟み揉みます。
ふわっと履いてしまうと滑りやすい台座に乗せられた形になり足が定まらないから。
不安定で足元おぼつかなくなり転びそうになったりしないように。
履く時は足元に注意をしながら全身に神経を注ぎます。全身に…?なぜならば…
足元に集中しすぎて口元が緩んでませんか?
注意深くなりすぎるあまり表情が強張って険しい顔になっていませんか?
肩に力が入り過ぎてギクシャクした動作を周りの方に見せてませんか?
「草履を履く」だけでもこんなに考えないといけないのかと思われるかもしれません。
美しい着物姿は着ている人自身の努力による力も大きいのです。
丁寧で優しい動作は、遠くにあっても美しく伝わるものです。
そして、優しい表情はあなたの着物姿を豊かにより魅力的に見せてくれます。
先に履物を履いた方が、気遣いから振り返り、あなたの動作を見ている場合もあります。
いつでも見られているという意識を念頭に置いておきましょう。良い意味で。
では、草履を脱ぐときは?
足を鼻緒から後ろへ平行に滑らせます。
上下にバタバタと跳ねるように動かすのはNGです。
草履の鼻緒に無理な力が掛からぬように。
もし、鼻緒に親指と人差し指がキッチリとハマり過ぎている場合の、対処法として。
足裏の母子丘に体重をのせてみてください。
わずかに浮いたスキマができるので後ろに滑らせやすくなります。