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きものコラム

着物の後ろ姿

着物を着ている人って遠くからでも目に入ります。
その姿に釘付けになり漂う雰囲気にただならぬ美しさを感じる事は大いにあります。

着物を着ている「着姿」だから、実は背中からでも同じように感じ取ることができます。
「後ろ姿に見惚れる」という言葉にはその方の凛とした雰囲気や空気感に、清々しさと色気と一見相反するものが両方漂っていることを言うのかもしれません。

気負わず余計な力が入っていない何気ない動作の途中の隙のような瞬間に、バチッと自分の感性がハマる感じ。

当の本人は見られているのを承知の上なのか、はたまた全く気づいていないのか推し測り兼ねるけれど。
ただ自分の視線が追ってしまう。
そして、そんな自分を許してしまいたい。

なかなか見ることのできない光景に遭遇したのだから見逃したくない気持ちと共に、憧れや理想もごちゃ混ぜになって。
着物の「魔力」って相当なものです。

想像が自分好みに膨らんで昔のノスタルジックな映画のワンシーンを見ているようで。
騒がしい日常にまみれていると、森林の静寂さや浜辺で波が打ち寄せる音に耳を傾けたくなるでしょう。

日常の暮らしの中に飛び込んでくる爽やかな春風のような感動が良い気分で得した気持ちになります。