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きものコラム

着物を着こなす

「わぁカッコいい」とか「ステキ」とか「色っぽい」とか…大人になっても心の底から湧き上がる感情を自分自身で感じるとき、人間って豊かな生き物だなあと思い知ります。

様々な情報に溢れて速読並みのインプットを日々こなしている頭脳を一瞬にして空っぽにして、そのシチュエーションの虜にしてしまうんですね。

昔の着物は日常着すぎるのかもしれないけれど、洋服ばかりの現代で見る着物はまるで異世界。
タイムスリップしたか、異次元空間に飛び込んだかの気持ちになりますね。
着物はそういう想いを抱かせるシチュエーションの表現方法でしかも誰でもできそうで成功しやすいものでもあります。

世代を問わず喜ばれるなんて。日本が世界に誇る美しい伝統文化の一つです。
けれども私が昨今心配しているのが、着物着付けの基本というものはもちろん在りますが、その「基本を守る」を忠実に守りすぎて小さくまとまってしまって、控えめになり過ぎてせっかくの着物が楽しめないなんてことになったり、これは着れないわと勿体ないことになったりしていないかな?という事です。

例えば、女性着物の「おはしょり」は必ず出さなければダメなものではないんですよ。
無くても全然大丈夫OKなんです。

また、男性用着物と女性用着物の違いは仕立てに明確に表されてます(袖付けが違います)が、着こなしを拡げる意味でオシャレの一つとして男性が女性仕立ての着物を着ても、また女性が男性仕立ての着物を着るのもこなれて粋な雰囲気を醸し出すことが十分にあります。

他にも、季節によって選ぶ着物を旧暦と現代暦の差が有るのを知っていながらもどこかで見た正統派のルールに囚われて、とても暑い日に汗だくになりながら合わせを選んだりという経験はありませんか?
そんな大変な思いは、あなたの着物道の次へのステップにぜひ活かしてください。こんな体験をしたからこれだけは自分は言える事って皆さんお持ちではありませんか?

理屈では無く豊かな感性でもっと楽に楽しみましょう。
慣習、常識、世評も織り込んで、ご自身の好みも強く反映させて良いんですよ。

今の着物チョイスは主に昭和にある程度確立されたものが軸になっています。
TVや映画で見る時代物も演劇も基本ベースは日本中で既に共有できています。
配役の立場や年齢によって細かくルール化されたことにより言葉で説明しなくても着物を一目見ただけで人物の生活環境や背景を表すという役目も担っています。

だからといって、そのことばかりに固執することなく、組み合わせを探りましょう。
できることはまだまだあるはず。

あなたが選ぶ「着物ミックスチョイス」の幅が広がり着物ライフを豊かに自由に楽しめることを願っています。