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きものコラム

着物文化 刀屋(とや)の考察

生涯を通して現代の日本人は何回ぐらい着物を着るのでしょう?

誕生のお祝いに始まって、七五三、成人式、卒業、婚礼、祭り、伝統芸能、武術、など。
儀式儀礼の服装を考える場面では、一度は頭の中に着物という選択肢が浮かびますね。

日本という国に暮らしていると心の中にはもはや遺伝子レベルで組み込まれているのだと感じます。
かつて着物は日常着でもありましたので、その土地の気候風土に合わせて順応し地方色も際立っていました。

繭(まゆ)の生産から生糸の製糸、染付や織り、仕立てに至るまでそれぞれの専門職が担うのです。
つまり、私の着物へのリスペクトの源は、ひとえにこの「人の手」がものすごくかかっているものが「全身を包んでくれる」ということ。

頭を除く首から下を有り余る面積の布でくるんと丸々ラッピング。
しかもそれらは工芸の宝庫だったりするわけです。
時代が進み洋服文化が花開き着物を日常的に着る人の数は減っていきます。

けれど、今また着物を機会があればぜひ着たいと思う方々が多くなってきてるのでは?
と感じています。

着物好きで日常的に着物を着ている方はもちろんのことですが、着物を着ることを楽しみとし、素敵だ、可愛い、やっぱ着物好きだわ!などと着物の良さを再認識されている若い方もぐんと増えている。
しかも新しいうねりが作られているように思えるのです。
SNSを通じて自分発信できる現代の環境は脳内のシナプスのように同胞を繋げます。

買う、着る、だけにとどまらず生産工程や着物管理にまで興味を広げ見識を深める方も多い。
日本の着物文化で知った奥深さや歴史、文化を見つめ直す姿勢は豊かな学びに繋がります。

着物は原材料が自然由来のものが多く、近代化が進む中ではもう手に入らないものも出てきています。
専門職の方々の数も減り続け生産が困難にもなってきています。

儚くならないように。

着物文化の美しさ、引き込まれるほどの魅力、自分で着付ける楽しさをコラムやレッスンを通じて知って頂けたらとても嬉しく思います。